【前回の続き】
アクティブラーニングは、科学的に効果があると実証された勉強法だ。
今回は、具体的な活用法を紹介していくよ。
アクティブラーニング活用法1:「想起」
想起とは、簡単に言うと「思い出すこと」。思い出すという作業は、能動的な活動なので、アクティブラーニングと言える。
実は、学習の中にこの作業を取り入れると、記憶の定着率が50%~70%向上することが分かっている。
つまり、問題演習やクイズ形式の学習はとっても効果が高いんだ。
ただ、これにもやっぱりコツがある。見ていこう。
コツ① クイズ化
まず一つ目のテクニックは、「クイズ化」だ。
ポイントは、問題集を解くだけでなく、あらゆる勉強をクイズ化するということ。
例えば、青チャートを使う場合を考えてみよう。
(青チャートは典型問題の解法がまとまった参考書。「典型問題の解法を暗記し、入試問題を解く土台を作ること」が始めの目標となる。)
クイズにするのは、「どのような手順で解くか」にすると良い。
【やり方】
解法を隠して、問題を見る→解答の手順を思い出す→合っているかを確認
→合ってたら次の問題へ
→間違っていたら、後日復習
このときに計算の結果がどうなるかはあまり大事ではない。とにかく解答の手順を思い出していこう。
他にも、参考書を読むときには、
1項目分を読む→参考書を閉じる→書いてあったことを頭の中で思い出す
という手順を行うことで、記憶は定着しやすくなる。
コツ② 復習のタイミング
次に大事なのは、復習を行うタイミングだ。
復習は前にやった内容を思い出すことなので、とても大切なんだ。
実は、復習にベストなタイミングも研究によって明らかになっている。
じゃあ、そもそも「復習に最も良いタイミングとは、どんな時期か」知っているかな?
正解は、「記憶がなくなりかけた時期」なんだ。
記憶がきちんと残っている時期に復習をすると、人間の脳は、「もう知ってるから頑張って覚えなくてもいいや」というモードに入り、復習の効率が悪くなる。
それよりも、記憶が消えかかったときが狙い目。
この時期に復習をすると、
かすかな記憶から一生懸命思い出そうとするので、脳が活性化される。
その結果、記憶が残りやすくなるんだ。
また、「忘れかける→思い出す」というサイクルを繰り返すことで、脳は「これは前も出てきた知識だから、大切な知識なんだ」と考えるようになり、
その知識を意識的に蓄えるようとする。
だから、忘れかけた知識を必死に思い出す作業はとても大切なんだ。
この原理に従って、理想の復習タイミングを設定すると、
1回目:1~2日後
2回目:7日後
3回目:16日後
4回目:35日後
5回目:62日後
…
といった感じになる。
(記憶が消える時間は、研究によって明らかにされている。)
ただ、すべての勉強に取り入れようとするのは、計画が複雑になりすぎるので、あまり現実的ではない。
そこで僕のおススメは、始めの2回だけをきちんと行うことだ。
つまり、学習した「次の日」と「1週間後」に意識的に復習を取り入れるのだ。
これによって、余裕を持った学習計画が組みやすくなるのではないかな。
まとめ
①. 「想起」=「思い出すこと」を学習に取り入れる。問題集を解くことはもちろん、「クイズ化」などを使って、あらゆる勉強をクイズ形式にする。
②. 復習のタイミングは、「記憶がなくなりかけた時期」がベスト。具体的には、勉強した「次の日」と「1週間後」がよい。
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