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【過去問解説】筑波大2015〔数学〕

更新日:6月4日

Aレベル → 教科書例題レベル~教科書演習問題レベル

・問題集の例題のような易しい問題

・教科書の演習問題のような基本的な問題

・入試でよく見かけるありきたりな典型問題


Bレベル → 入試標準レベル(教科書発展問題レベル)

・頻出ではなくとも基本的な手法で解ける問題

・工夫が必要な問題だが誘導が丁寧な問題

・理解力が問われる問題

・計算がやや煩雑な問題


Cレベル →入試発展レベル

・工夫が必要で自分で方針を見つけ出す問題​

・様々な手法を用いる問題

・計算がとても煩雑な問題


Dレベル → 難問レベル

・高度な思考力が要求されるような問題

・方針を立てにくい問題


総合評価

例年に比べて、発展レベルの問題が多く出題されている。


6題中5題を選択解答の場合、制限時間(120min)に対して問題量が多く計算もボリューミーである。まともにやると大問1つぐらいが解き終わらない可能性が高い。

まずはじめに、解けそうな問題、解けなそうな問題をしっかり把握して、合格点を目指したい。


〔1〕座標平面:Bレベル(25min程度で完答したい)

図示を必要とする問題。内容はよくある線形計画法。


(1)Aレベル(5min)

連立不等式の図示をする問題。交点/境界の有無の言及を忘れずに。基本問題


(2)Aレベル(3min)

放物線同士が共有点を持つような文字の範囲を求める問題。判別式で一発。


(3)Bレベル(15min)

(求値式)=kとおいて、kの最大・最小に帰着させる問題。

この問題でのkは、y切片となるため、グラフを領域内で上下に動かして、最も高いところが最大、最も低いところが最小とする。

必要な領域は(1)で図示されているため、あとは放物線同士が接するときを丁寧に求めれば完了。筑波大受験生なら、落ち着いて解ければ十分満点が狙える。


〔2〕三角比・微分:総合Bレベル(30min以内で解答したい)


(1)Aレベル(7min)

図示の必要があり、慣れてないと状況整理に無駄に時間を取られてしまう問題。

そのうえで、計算に頼らず、三角比の定義通りにtanを求める。


(2)Bレベル(8min)

面積をtanβ/2で表す問題。三角形の面積公式として内接円の半径を使うやつを覚えているかどうかがポイント。そのうえで、tan(90-θ)の変換公式も使う。意外とこの変換公式を忘れてしまっている生徒が多いので要注意。


(2)Bレベル(15min)

何を示せばいいかがこの問題文だとわかりにくい。「不等式証明の問題」と「最大・最小の問題」がほぼ同じ問題であることを理解しよう。今回の問題で言えば「S≧3√3、等号成立は正三角形のとき」と書いてあるが、「Sはα=β=π/3のとき、最小値が3√3」を示すのと同じ。


〔3〕数列・数列:総合Cレベル(30min以内で完答したい)

(1)からまぁまぁ難易度が高い。(1)が解ければ(2)は簡単。(3)は難しい。

そういう意味で(1)できたひとと(1)できなかった人で大きな点差が生まれただろうと思う。


(1)Bレベル(10min)

知ってれば簡単。知らないとこの式変形は思いつかないと思う。網羅系問題集だとあまり見ないが、理系大の過去問では頻出なので、もし初めて見たという人はここでしっかり覚えておこう。


(2)Aレベル(7min)

(1)ができていれば頻出の帰納法。kとk+1を仮定するタイプ。


(3)Cレベル(10min)

△以下の最大の整数⇔[△]ガウス記号が分かると嬉しいけど、ガウス記号で解釈するとややこしいので今回は「整数部分」で考える。その上でβが-1~0の間にいることに気づき、そのβを累乗しても-1~1の間にあるから、整数部分はほぼαの方由来になるよねっていう話。(詳しくは解答を見てください)

2003年の東大に類題があるが、そっちの方はαとβが具体的な数値であるから、筑波大2015に比べると解きやすい。普段から、志望校よりワンランク上のレベルまで演習できてるかどうかが鍵。ぶっちゃけ、(3)はみんな解けてないだろうから合否には関わらないかな…?



〔4〕微積分(不等式/極限):総合Dレベル(40min以内で解答したい)

(1)Bレベル(15min)

接線を求めて、y切片を式変形する問題。

解答に合う形に式変形するのが大変。計算もめんどくさいため合わないと時間が無限に溶けていく。


(2)Aレベル(5min)

不等式証明。めちゃ簡単。

(1)ができなくても(2)は解ける。


(3)Bレベル(10min)

(2)の不等式をどうやって使うかがポイント。解答の赤線の利用には気づくだろうが、緑線の使い方にきづけるかどうか。答えから逆算して「te^(-t)≦1を示せればいいなぁ」と思いながら(2)をどうやって使うか考えよう。


(4)Dレベル(10min)

被積分関数がb'(t)であることにきづければよい。正直何があってb'(t)を計算してみようと思うのかはわからないが、それにきづければ解けるかな…?ぶっちゃけ、(4)はみんな解けてないだろうから合否には関わらない。



〔5〕数Ⅲ積分(面積):総合Aレベル(20min以内で完答したい)

3つの曲線で囲まれた図形の面積を求める問題。


(1)Aレベル(3min)

計算ミスしないように。

また、途中計算も丁寧に。


(2)Aレベル(7min)

「cosx=3sinx」を見て解けないと思った人も多いかもしれない。

「両辺2乗する」か解答のように「cosxで割ってtanxを作ってから図形的に処理」するかの2択だろう。


(3)Aレベル(10分)

(1)と(2)で求めた交点の情報を元に積分して面積を求める問題。

図示ができており、しっかり計算ミスをしなければ容易。


〔6〕複素数平面(円):総合Cレベル(30min以内で完答したい)

(1)Aレベル(8min)

入試頻出の式変形である。筑波大は複素数の問題を高確率で出題するので、この式変形を知らなかった人はよく複素数の問題演習をしておくように。


(2)Cレベル(10min)

「zが純虚数⇔z+zバー=0」を立式はできてほしい。その上で終着点がわからなかった人が多いのではないか。ここで「βが正の実数」つまり「β=βバー」を使えることから解答の式変形ができるといいね。

(3)Cレベル(10min)

「正三角形」という条件をどう数式にするかで解ききれたかどうかが分かれる。

素直に辺の長さから立式して、最後は汚い答えが出てくるが自信を持って答えにしよう。

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