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【過去問解説】筑波大2016〔数学〕

更新日:5月26日

Aレベル → 教科書例題レベル~教科書演習問題レベル

・問題集の例題のような易しい問題

・教科書の演習問題のような基本的な問題

・入試でよく見かけるありきたりな典型問題


Bレベル → 入試標準レベル(教科書発展問題レベル)

・頻出ではなくとも基本的な手法で解ける問題

・工夫が必要な問題だが誘導が丁寧な問題

・理解力が問われる問題

・計算がやや煩雑な問題


Cレベル →入試発展レベル

・工夫が必要で自分で方針を見つけ出す問題​

・様々な手法を用いる問題

・計算がとても煩雑な問題


Dレベル → 難問レベル

・高度な思考力が要求されるような問題

・方針を立てにくい問題


総合評価

2015年に比べると難易度は下がったかなという印象。それでも発展レベルの問題もあり油断はできない。


6題中5題を選択解答の場合、制限時間(120min)に対して問題量が多く計算もボリューミーである。まともにやると大問1つぐらいが解き終わらない可能性が高い。

まずはじめに、解けそうな問題、解けなそうな問題をしっかり把握して、合格点を目指したい。


〔1〕座標・微分:Bレベル(20min程度で完答したい)

図示でイメージができたかどうか。

筑波大は全体を通して、図示が必要な問題が多い。しっかり必要に応じて手際よく図示しながら状況を把握したい。


(1)Aレベル(8min)

放物線同士がx>0の位置で共有点をもつ条件を求める問題。

2次方程式の解の配置の問題。基本問題。


(2)Bレベル(5min)

重心の軌跡の問題。

重心の軌跡自体はよくある問題で、解と係数の関係と(1)の範囲を元に軌跡を求めればおk.


(3)Aレベル(5min)

座標平面における三角形の面積公式を知っていれば一発。

解と係数の関係を用いた、対称式の変形が必要だが、これも難しくはないだろう。


(4)Bレベル(5min)

(3)の面積の最大値を求める問題。

そのまま微分するとめんどくさいから、k^2=tとおいて次数を下げる。あとは計算をするだけ。


内容自体は難しくないが、(2)(3)で計算ミスを誘発しやすい。ミスなく手早く処理しよう。


〔2〕座標・三角比・微分:総合Cレベル(30min以内で解答したい)


(1)Bレベル(10min)

問題文に図が示されており、状況把握は容易。

外接する円あるあるの相似を見つければ、三角比の定義から求められる。

漸化式の図形列の問題などで類題の経験があればできたであろう。


(2)Bレベル(12min)

PQ=2TQであり、TQ=OTtanθであり、OT=d1-r1であることにきづければ、あとは基本的な最大・最小問題。


(3)Bレベル(8min)

「垂直⇔傾き同士をかけて-1」であることから直線の方程式を求める問題。

「(2)のとき~」であるからsinθ=2/3をうまく代入して答えたい。


問題文で図が与えられているとはいえ、図形的考察力がないと(2)は難しいかもしれない。

図に色々書き込み過ぎて汚くなれば、必要に応じて自分で図を書くことで、結果速く解ける。



〔3〕ベクトル:総合Bレベル(25min程度で完答したい)


(1)Aレベル(3min)

ただの内分。容易。


(2)Aレベル(7min)

条件を数式にして、絶対値だから2乗するだけ。容易


(3)Bレベル(15min)

合同をどうやって示すか。高校入試を思い出す問題。

ひとまず長さの条件を求めようと思えれば、(2)と同様の計算を行うことでOA=OCを示せる。

そうすれば、あとは∠AOB=∠COBを示せれば嬉しいことに気づいて「ベクトルでなす角なら内積に着目」して答えまでもっていく。


(3)は(2)の誘導を活かし、その上で何が足りないかを考えさせる問題。

そういう意味で、実践的な演習価値の高い問題と言えるだろう。


〔4〕微分・積分(体積):総合Bレベル(25min程度で解答したい)

(1)Aレベル(13min)

変曲点まで調べて図示するタイプの基本問題。微分計算も難しくなくミスできない。


(2)Aレベル(5min)

ただの部分積分。計算問題。


(3)Bレベル(7min)

ただの積分計算。

(2)を上手に使おうと思えば、解答のような式変形になるだろう。

途中からの和を求めるシグマ計算と発想は同じ。気づけたかどうかで時間に大きな差が出たと考えられる。


〔5〕数列(漸化式)・極限:総合Bレベル(25min以内で完答したい)

これも問題文に図が書いてあるため、状況把握は容易。


(1)Aレベル(5min)

それぞれ、「θ2はP2に」「θ3はP3に」着目すれば立式できたであろう。


(2)Bレベル(10min)

(1)のθ3と同様に立式することで、隣接3項間漸化式が出てくる。あとは普通に特性方程式を解いて、漸化式を解くだけ。下手に誘導に乗ろうとせずに、いつも通り解いてく過程で答えが出てくるイメージ。


(3)Aレベル(7min)

漸化式を解ききって、最後に極限を飛ばすだけ。容易。

(2)の答えを用いて、「θ_{n+1}=-1/2θ_{n}+θ」として特性方程式がを解いてもおk.


〔6〕複素数平面(直線・円):総合Bレベル(30min以内で完答したい)

(1)Aレベル(8min)

ベクトルでもそうだが、絶対値があればとりあえず2乗しよう。

あとは式変形して2015でも出てきた「z+zバー=0ならzは純虚数」を導く。


(2)Aレベル(7min)

あまり見ない式変形かもしれないが、発想で出したい。また、これが解けなくても(3)には影響しない。


(3)Bレベル(15min)

複素数の軌跡といえばの式変形。条件式をzについて解いて、(1)の条件式に代入する。

そこからの式変形もよくあるやつ。文字aがあるせいで計算がややこしいが、頻出の式変形だから確実にできるようにしておくべし。

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