今日は、「光」について話をしようと思う。光はとても身近なんだけど、奥が深くて面白いんだ。
今回の目標は、生物で出てくる「吸収スペクトルと作用スペクトル」を理解することだ。
生物選択の人は物理をきちんと習わないことが多いから、自分で理解するのは大変かもしれない。
今回は物理の難しい話はなるべく省いて、重要なところだけを抜き出して解説していくよ。
1. 光の色と波長
いきなり物理の話で申し訳ないのだが(笑)、ここだけ覚えてほしい!
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光っていうのは、波の性質を持っている。
簡単に言えば、光はにょろにょろ波打ちながら進んでるってこと。
そして波の1個分の長さを「波長」という。
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光の色はこの「波長」によって決まっているんだ。
例えば、赤色光の波長はおよそ700 nm、緑色光の波長はおよそ550 nmといった感じ。
人間の目は、光の波長を検知して、色を識別しているんだ。
色と波長の関係はネットで調べるとすぐ出てくる。
Wikipedia: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%AF%E8%A6%96%E5%85%89%E7%B7%9A
2. 白色光と植物の色
色と波長の関係を見ると、1つ疑問が浮かぶ。
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太陽の光とか家の明かりって、白色の光だな。
色と波長の関係のところに、白色光がないぞ?
白色光ってなんなんだ?
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答え:
白色とは、「すべての色の光を同時に見たときの色」。
太陽とか蛍光灯っていうのは、赤色~紫色の光を全部出しているんだ。
これが白色光の正体。
次に、植物の色が人間に届くまでの過程を考えてみよう。
太陽の光(白色光)→葉っぱ→緑色の光→人間の目
こんな感じだね。
ここでは何が起こったかというと、
全色混ざった光(白色光)が葉っぱに当たる→葉っぱは緑色以外の光を吸収する
→緑色の光は反射or透過する→人間の目に届く
という過程になっている。
これが、色が見える原理だ。
リンゴが赤いのも、赤以外の光が吸収されているからだ。
ただ、「本当に他の色が全部吸収されているか」というと、そうではない。
葉っぱだったら、主に赤色、青色の光が吸収され、残りの光が人間に届くと緑色に見えるんだ。
3. 吸収スペクトルと作用スペクトル
吸収スペクトルとは、「波長ごとの吸収度合」を表したグラフだ。
横軸に光の波長、縦軸に吸収度合をとることになっている。
クロロフィルaの吸収スペクトルを見ると、およそ450nm、680nmの光をよく吸収していることがわかる。
これは、青色と赤色に対応している。先ほど書いたとおりだね。
教科書には、ほかの色素に関しても吸収スペクトルが載っているから、それも見ておいてほしい。
次に、作用スペクトルとは、「波長ごとの光合成の起こりやすさ」を表したグラフだ。
作用スペクトルを見ると、紫色、青色、赤色の光を当てると、光合成がよく起こるということが読み取れる。
これは、クロロフィルaの吸収スペクトルとクロロフィルbの吸収スペクトルを合わせたものによく似ている。
これらのことから導かれる結論は、
「光合成に使われる光は、クロロフィルa・bが吸収する」ということだ。
この実験によって、植物に含まれる色素の中で、
光合成に使われるのはクロロフィルa・bだということが分かったんだね。
まとめ
1. 光の色=光の波長
2. 白色光=いろいろな色の光が混ざったもの
3. 色素の吸収スペクトルと光合成の作用スペクトルから、光合成に使われる色素が分かった。
<数理進学予備校イーズ WEBサイト>
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